店主より ☆ ジョンミッシェルのこと ☆
ジョンミッシェル(以下JM)とのつき合いはかれこれ10年になります。
僕が彼の店でお世話になっていたのですが、当時は僕が「初めての東洋人スタッフ」ということで皆さんに大変良くして頂きました。
とにかく色んな事でカルチャーショックを受けましたし、ちょっと大げさに言えば一生の記憶に残る日々でした。
よく二人で市場(ランディス)へ花の買い付けに行ったのですが、車の中で色んなことを話しました。仕事のこと、恋愛のこと、税金の話し..フランスの著名フローリストでしかも世界チャンピオン。そんなことを全然感じさせない気さくで実直な人柄に大いに感銘を受けたものです。
ある時、外国で名前を売ってるフランス人フローリストの話が出て、ちょっとJMにふってみたことがあります。
−−JM、あなたは世界チャンピオンになって何か変わりましたか?
はっきり言って商売にも活かせるじゃないの?
JM 「何にも特に変わらないね。まあ、”名前”で商売する気なら
パリのど真ん中で店出して宣伝したりすれば別だけど。」
−−じゃあ、そうすれば?
JM 「僕はあんまり人混みが好きじゃないし、この街(JMの店があるパリ郊外)が好きなんだ。それに他の店を出すと自分の目が届かなくなるのがいやなんだ。だけど勿論、パリでもどこからでも僕の店に買いに来てくれるのなら喜んでお相手させてもらうよ。」
最後にもう一度茶目っ気を出して聞いてみた。
−−JM、あなたは何ですか(職業)?
JM 「僕はただの”花屋”です。」
フローラルアーティストだのデザイナーだのが氾濫する日本ですが世界チャンピオンがポツリと漏らしたこの一言に何故か安堵を覚えにっこり笑ってうなずいたのが今も懐かしく思い出されるのです。
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茨木善弘 「パリの花通り」店主、(株)茨木春草園 代表取締役)